保存整備工事の完了について(落下傘整備所・耐弾式コンクリート造建物)

 本市では平成27年度に策定した第2次宇佐海軍航空隊跡保存整備計画書に沿って、戦争遺構群の保存整備を計画的に進めています。
 平成30年度において、落下傘整備所及び耐弾式コンクリート造建物の保存整備が完了しました。見学は自由となりますので、ぜひお越しください。

落下傘整備所

 昭和14年頃に建てられたと思われる二階建てレンガ造りの建物で、内部が一部吹き抜けになっています。この建物ではパラシュート(落下傘)を整備していたといわれています。建物の外周はセメントモルタルで接着したレンガ壁で、外壁の厚さは35センチほどです。内部は、鉄筋コンクリート造りの柱や梁で建物を支える構造になっており、棚を設置したと思われる痕跡が残っています。
 南北の壁面には〇印が白い塗料で描かれています。同じ印が航空隊の司令部庁舎にも描かれており、この建物が非常に重要な施設であったことがわかります。

耐弾式コンクリート造建物(旧:半地下式コンクリート造建物)

 宇佐海軍航空隊の受信所あるいは、配水所と考えられている建物です。
 建物の外壁は厚さ45センチの鉄筋コンクリート製で耐弾式と呼ばれる頑丈な構造になっています。また、屋根が土で覆われ、上空から確認しづらいように造られているので、重要な施設であったと考えられます。内部は通路と腰壁で仕切られており、出入口以外には窓がない構造ですが、天井に開口部があります。
 戦後に撮影された写真には建物の上に突起物が写っており、天井の穴からアンテナ等が出ていた可能性も考えられます。南側や東側の壁には米軍機による機銃掃射の痕が残っています。建物の西側には、燃料または水を入れていたと思われるタンクの基礎が2基残っています。